医科同窓会紹介

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ご挨拶

私は、令和5年7月30日に開催されました臨時社員総会におきまして、同窓会理事長に選任されました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

医科同窓会がお茶の水会から分離独立してから今年で60年が経ちます。この間5人の先生方が会長・理事長を務められました。初代の桐野忠大先生はM1回生、二代橋口精範先生(私はこの時代に入学しております)と三代山崎博男先生は共に医1回生、四代現名誉理事長佐藤達夫先生と五代前理事長大野喜久郎先生は共に名誉教授かつ元医学部長であり、いずれも同窓会員から見れば周知の先生方ばかりです。この点、六代目の私は極めて異例ではないかと思います。

大学卒業後、私が母校に勤務した期間はわずか2年半です。第一内科研修医として勤務した卒業直後の1年間と、その約10年後に公衆衛生学教室の講師を務めた1年半だけです。それ以外の経歴の内、三分の一は母校の関連病院ですが、三分の二は海外も含めて母校とはほとんどあるいは全く関係のない施設に勤務して参りました。すなわち、私が直接存じ上げている同窓会員の方は極めて限られており、また一方、その逆も真なりではないかと思っております。私が同窓会の仕事に関わるようになったのは約20年前、佐藤達夫先生が会長(当時)になられた時です。私は佐藤先生が教授として解剖学を講義された1期生に当たり、そのようなご縁もあって、同窓会の仕事のお手伝いをするようになりました。担当は主に会報の編集でしたが、段々と事務局の仕事もするようになり、理事長が大野先生になられてからは、事務局長的な立場となりました。しかし、当たり前のことですが、どのような組織でも会長と事務局長とは全く別の職種であり、事務局長を経験したから会長も出来るだろうなどと言うことは有り得ません。以上のような職歴や経歴から言って、本来であれば理事長職は私がお引受できるような職位ではないと思っております。

しかし、突然、海の彼方から蒸気船がやってきて太平の眠りを醒ましました。今回の大学統合の経緯や目的については、これまでに何度もご説明頂いて参りました。その内容を頭では理解してきた積りですが、矢張り実感が湧きません。私の様に、母校での勤務経験がほとんど無く、その後も余りご縁の無かった者に取っては当然かも知れません。勿論その一方で、現在母校の教職員をされている同窓会員にとっては、直接ご自身の職場環境に関わる重大な問題に違いなく、私のように呑気なことを言っている場合で無いことは百も承知しております。更には、関連病院等で母校の後輩を毎年受け入れられている会員の皆様にとっても大変気掛かりなことであろうかと思います。

確かなことは、来年には「東京医科歯科大学」は無くなり、「東京科学大学」になるということです。そして、その翌年には、東京科学大学卒業の医師が誕生するということです。彼らは、すべて私たちの後輩であり、同窓会員であるということです。このような変革は、同窓会員の誰もが経験したことは有りません。今後、一体どうすれば良いのか?どこから手を付けていけば良いのか?歯科同窓会を始めとするお茶の水会と、そして統合する相手と何をどうやって交渉すれば良いのか?等々、解決すべき課題は山積しております。今の状況は、同窓会にとってまさに一大事と言えます。過去の経験だけではこの難局を乗り越えることは不可能です。会員全員の叡智を結集する必要があります。そのためには、私も理事会も常に聞く耳を持ち、未だ経験したことのない未知の世界へ足を踏み入れなければなりません。私自身、このような時に理事長に選任されたことは大変名誉なことであると覚悟して、職務を遂行してゆく所存でありますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

林 洋(医26・昭53卒)